沈黙の銭湯日

銭湯のコインロッカーから柔らかい音を立てて落ちた僕の100円は、目の前で知らないおじさんに拾われてそのまま返ってこなかった

 

おじさんと10秒くらい目を合わせた

 

沈黙の空気が流れる

 

心の中で「君がそれで幸せになるならそれでいいよ」って送ったら

 

いつのまにかおじさんは消えていた

 

 

僕のような若者は世間では自己主張が出来ないと言われるらしいけど、それでもいいと思った

 

おじさんが1人笑顔になれるなら